「建築と法律を勉強して、不動産ローンの会社にいたのよ。 陶芸からは遠い所にいたの。そうね、唯一つながりを探すなら伯父がシチリアのS.Stefano
di Camastraっていう陶器で有名なメッシーナに近い町にいて陶器の装飾をしてる事かな。でもその伝統的な装飾には全然興味なかった。」
「小さい頃から絵を描くのは好きだったの。マンガも描いてた。でも両親が喜ばなくてね。
「 母がファッションの世界にいて、よく手伝ってたわ。好きだったけど趣味の範囲で。手でなにか創るのが好きなのね。布を使ってなにか作ったり、毛糸を染めたりするわ。あ、このセーターも私がデザインして染めて編んだのよ。
」
「仕事をしながら私のクリエイティビティに対する欲求を満たそうとしてた。
バカンスで親戚がいるシチリアへ行って陶芸をちょっと手伝ったのね。それからローマへ戻って来て陶芸教室へ行ったの。装飾だけじゃなくて自分の手で形を作りたくなって。自分の家で陶芸ができるように設備を整えて、それからね。
ファエンツァ(ボローニャのそば)のイタリアで唯一陶芸のアカデミーへ短期講習へ行って、絶対に自分のポストを持たなくちゃ!と思ったの。
」
「仕事を続けながらこの工房を開けて、仕事をパートタイムに切り替えて…そして、ある日決めたの。会社を辞めて陶芸一本にしよう!って。正直怖かったわよー。
大きな儲けはないわ。食べていけて、この工房の家賃を払っていければ十分よ。 」
「サン・ロレンツォに決めたわけ?学生のときによくピッツァを食べに来てたの。だから馴染みがあって。
それに他に比べて安いからね。周りのアルチザン達とすぐに友達になって、励まし合ったりして、ここ、好きよ。 」
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