映画の中のローマ/ローマでお勧めできないバール

 
目 次
1.はじめに 映画の中のローマ
2.映画「ローマの休日」
3.ローマでお勧めできないバール
4.旅の情報:コロッセオの内部入場の混雑
5.あとがき

1.はじめに

 先日、ある旅行会社さんとローマでのイベントを考えてみました。そこで出たのがダン・ブラウンの「天使と悪魔」ツアー。この映画が公開された時は、ローマがこのツアーでもちきりでした。ガイドさんが案内するツアーも組まれ、弊社でもお手伝いしたことを思い出しました。そこで本を読み直してみると、結構面白いイベントができそうなので、一歩詰めてみました。実際に取りかかってみると、場所的に制限されるところが多くて、きびしいことが分かりました。そこでどうせならローマを舞台とした映画をテーマとしたらと思い検索したところ、すぐに100本以上の映画が見つかりました。良く知られたオードリ・ヘップバーンの「ローマの休日」やフェリーニの「甘い生活」、「ベンハー」等の古代ローマ時代劇と言ったものだけでなく、「007 スペクター」「ピンクパンサー」や「ミッション・インポッシブル」、ビスコンティ「イノセント」、はてはタルコフスキーの「ノスタルジア」までローマが舞台でした。やっぱりローマはすごいですね。

2.映画「ローマの休日」

 まずトップバッターは1953年制作のアメリカ映画「ローマの休日」(Roman Holiday)です。「ローマの休日」は、今なお人気のある名作として、日本の人々にも親しまれています。この映画で新人女優であったオードリー・ヘップバーンが、可憐なアン王女を演じて一躍スターダムを上り詰め、世界的な大スターとなりました。今でも、このストーリーに合わせて、ローマ街巡りする人が後をたちません。アン王女がスペイン階段でジェラート(アイスクリーム)を食べるシーンが有名となり、真似をする人が多すぎたことから、スペイン階段ではジェラートを食べることが禁止されてしまいました。相手役のグレゴリーペックが冗談で手を差し込んだ真実の口では、オードリー・ヘップバーンが本当に驚いてしまった逸話等、話題に欠かない映画です。
 
 「ローマの休日」は全編、現地ロケ。ヨーロッパ某国の大使館とされたところもバルベリーニ宮(現国立絵画館)が使われ、ラストシーンでアン王女が記者会見をおこなうのも、コロンナ宮の2階にある勝利の柱の部屋です。いまではこんな超世界的文化財でロケの許可はあり得ないと言われています。
 
 バルベリーニ宮は→http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/barberini.html
 コロンナ宮は→http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/colonna.html
 
 また、旅行者がなかなか気付かないスペイン階段からほど近いマルグッタ通りは、もともと画家のアトリエ(デ・キリコのアトリエがあったことでも有名)と画廊が多かった通り。この通りは「芸術の小径」と呼ばれています。ちなみに王女を案内した新聞記者のボロアパートがマルグッタ通り51番地にありました。
 
 サンピエトロ寺院は→http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/vaticano.html
 
 もちろん教皇庁の依頼は聖母マリアを「ピエタ」の女性として彫り込むことが前提でした。でもみるものが観ると、キリストの死を看取ったマグダラのマリアのように思えてくるのです。そのため、いまでも「ピエタ」のマリア像はマグダラのマリアだという見解を持つ識者がいます。この女性像に込められたミケランジェロの想いを傑作「ピエタ」を眺めながら想像するのも、ローマ訪問の楽しみの一つなのではないのでしょうか。
 
 マルグッタ通りは→http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/margutta.html
 
 言ってみれば、全編ローマの人気スポットを巡る隠れた観光宣伝映画だったのですね。映画の自然さが、そんなことに気付かせない名作だったのです。
 
 「ローマの休日」の体験は→http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/holiday.html

3.ローマでお勧めできないバール

 ローマは200m歩けばバールが必ずあるといって良いほどバール(軽食もあってお酒も飲める喫茶店)があります。バールにはそれぞれの常連さんがいて、カルチョ(サッカー)好きのバール、5つ星(政党)支持者のバール、カソリック教徒のバール等種々雑多なバールがあり、これらが街の文化の一部にもなっています。だからという訳でもないのですが、ヤクザなバールやボッタクリ専門のバールもあります。このような困り者のバールは、どういう訳かバールがあまり無い地域に生息しているようです。
 
 真実の口のあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会を通り抜けてマルチェッロ劇場(古代ローマの遺跡)へ向う通りにそのうちの1軒があります。「暗黒の」中世時代の建物が残ってる珍しい場所で真実の口だけを見るのではもったいない、観光のベストスポット。真実の口のそばという一等地です。世界中から観光客がわんさと来るところなのですが、このバールの値段はボッタクリ価格です。
 もう1軒はローマの中心地のベネチア広場を背にして(右写真)、ベネチア広場とマルチェッロ劇場を結ぶVia Teatro Marcello 14にあります。従業員がいなくて一人いるオーナーがものすごく感じ悪い。一緒にいた子供が、何を食べるか迷っていたら「まだ決めないのか」と何度も言った。疲れていたので座って食べると言ったら、コーヒーとジュースと菓子パンで17ユーロ(2300円くらい)と、とんでもない金額を言うので立ち食べにした。座る前に言ってくれたのがせめてもの「親切」。
 
 どちらのバールも真実の口付近にあります。ようは真実の口付近で水を買いたかったり、ちょっと休みたかったりしても、この通りのバールに寄ってはいけない。我慢してベネツィア広場まで歩きましょう。
 
 ローマでお勧めできないバールは→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/299.html

4.旅の情報:コロッセオの内部入場の混雑

 最近、コロッセオの内部入場は、一日に3000人と決められました。そのため多くの観光客が殺到する午前中は予約で一杯になっており、予約をしていないと何時間も並んで待たなければならなくなりました。午前中に内部見学を希望される方はあらかじめチケットを予約購入されることをお勧めします。
 
 現在のチケットの予約可能時間は9時から30分区切りです。オフィシャルサイトのオンラインでお一人14ユーロです。ただし、予約の30分前に着いてバウチャーを切符に交換する必要があります。オフィシャルではないサイトで購入するとお一人16ユーロですが、バーコードがついたものをメールで送ってくるので交換の必要がありません。こちらは予約時間の15分前に着くようにとの事です。
 
 詳しくは→http://www.ivc-net.co.jp/guide/info/museo.html#museo4

5.あとがき

 バチカン美術館 (Musei Vaticani) は、ローマ市内にあるバチカン市国にあり、歴代ローマ教皇の収集品を収蔵展示する世界最大級の美術館です。入口と出口が別になっており、通り抜けるだけでも1時間半はかかるという超巨大美術館です。次回はバチカン美術館をご紹介します。
 
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